10 チャッツワース城

1991年04月26日 Chatsworth(B地点東110km)


UK Map チェスター(B地点)は、四方を城壁に囲まれた中世の要塞都市だ。現在は城壁の外側にびっしりと建物が建っているので、囲まれているといった印象はあまりない。街の中心の十字路には中世時代そのものの建物が建ち並ぶ。1階と2階には道路に面した木造のペデストリアン(歩路)があって、となりの同士の建物はペデストリアンでつながっている。2階のペデストリアンをどこまでも歩いていくことが出来て面白かった。

 翌日朝食をとっていると、同じB&Bに泊まっていたイギリス人の夫妻に話しかけられた。
「今日はどちらへ?」
「まだ特には決めていないですが。」
 すると旦那さんが「それならこの近くに素晴らしい城があるからぜひ寄っていくといいよ。」と言って、地図を広げて場所を示した。
「ここなんだ。そうだなあ・・・ここから110kmくらい東だから、たったの1時間で行けるよ。」そして彼はその城がいかに素晴らしいか力説し始めた。
 平均時速110km/hで走れって? そりゃ無理だろと思ったが、絶対に行かなきゃダメ!という感じで強く薦めてくれるので・・・(^_^; 行ってみることにした。

 朝もやの中を東に向って出発した。「チャッツワース」という名前のその城にたどり着くルートは単純ではなかった。何カ所かの分岐点をクリアして、アップダウンの続く高原の丘陵地帯をひた走った。地方道になると道幅が狭くなる上、丘陵地帯の道路の両側はびっしりと石垣が積まれていて、少しでもコースアウトしたら、即この石垣に激突Chatsworthだ。車には安全かもしれないが、バイクにとってこの低い石垣は迷惑な代物だ。
 少し標高が高いせいか樹木はあまり無く、どこまでも見渡す限り緑の牧草風景が広がっていた。牛や羊がのんびりと草を食んでいる。
 やがて、地図には名前も載っていない小さな村にたどり着くと [←Chatsworth] と書かれた道標を発見した。その道標にしたがって進んで行くと、いつのまにか広大な庭園の中に入っていってしまった。その広さたるや尋常ではなかった。東京の練馬区がすっぽり入ってしまうかと思う程の広さだ。しばらく走っていると遠くの方に城が見えてきた。「あ、あれだ。」
 その城を目指してどんどん進むがすぐにはたどり着けず、庭園の中をかなり走った。やがて黄色みがかった大理石の城が目の前に現われた。質実剛健な造りの大きな城だったが、それほど美しい外観とは感じなかった。まあせっかく来たのだから見なくてはと城の中を見学することにした。

Chatsworth Interior 城の中に入ると様相は一変した。外側から見る少し無機質な造りとは全く違っていた。内部は荘麗な造りで、壁や床は見事な装飾品や調度品、そして大きな絵画で飾られていた。豪華絢爛とはこの城の中のことを指すのだろう。すっかりたまげてしまった。こんな立派な城なのに「○○の歩き方」には載っていないとは。
 城の外に出ると大きな生け垣の樹木を美しく刈込まれたイギリス式の庭園が現われた。日本の庭園と違って、樹木を幾何学的に配置してシンメトリックなデザインになっている。生け垣が迷路のようになっている庭もあって、散策するのが楽しい。あの夫妻が薦めてくれたのはもっともだった。ここに来た甲斐があった。

 


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